鍼治療後の好転反応について
病気や症状は様々な要因で全身を流注している経絡に血気の鬱滞があって起こっています。
問診舌診脈診望診などで弁証を立てて正しい配穴をし、その鬱滞を促します。
その方の症状が重かったり治療日のコンディションが悪いと治療後に好転反応でだるくなったり、眠くなったりします。
それは決して悪いことではなく、悪い経絡ツボに鍼をして身体がそこを治そうと働く自然治癒力です。
たとえば肺経は腕に分布しているので、肺の状態が良くない方は治療後に腕が重くなります。
そこに多くの血が流れてリンパ球白血球など修復作用がおこなわれているからです。
治療後は激しい運動や会食などを避け、ゆっくりすると治療効果が高くなります。
また刺鍼で起こる内出血も意味があります。
健康な血管は鍼を刺すと、収縮して勝手によけてくれます。
不健康な血管はよけきれず、毛細血管が内出血をします。
内出血した場所は状態が悪い箇所です。
数日で綺麗な血管に生まれ変わりその箇所も良い状態になります。
治療後、鍼の違和感が残る場合は、その箇所の血流が滞っていて血管や神経の状態が悪い状態で、部分的に炎症が起こっています。
通常は数時間で治りますが、何日も残る場合はよほどその箇所の血流が悪く治癒力が衰えています。
また職業で酷使したり、水をよく使い冷えると余計に血流は悪くなります。
基本的に鍼でどこかが悪くなるということはありません。
同じツボでも色んな作用があり、自動的に良い方向に効いてくれます。
よほど太い鍼で強く刺激し過ぎて神経を傷つける場合が稀にあったとしても、日にちが経てば必ず治ってきます。
思い込みで悪い様に考えると痛みが強く感じたり、治る日数も長くなってしまいます。
鍼は合わないと思い込み、治療をやめてしまうとせっかくの治すチャンスを失ってしまいます。
長くかかって起こった病気は治すにもそれだけ時間がかかります。
全身鍼灸の効果は直後、数日間だけでなく何日もかかって身体をゆっくり治す力があります。
そして治る道のりは重い病気ほどスムーズにプラス方向だけでなく、下がったり上がったりしながら治っていきます。