天津はり灸院

頭鍼療法

心は君主の官•心は神を主る

中医学で云う心気は心臓の機能と精神活動を指しています。

心臓移植をした人が元々の心臓の持ち主の記憶が残っていたり、性格や嗜好が似る不思議な現象は中医学で考えると納得ができます。

こころ・ハートは脳ではなく胸にあるというのも分かります。

また脳と腸の働きが関係深いのも、心の経絡と小腸の経絡は表裏関係であり、肺と大腸の病気が連動しているのも、肺と大腸の経絡は表裏関係なのです。

心の経絡は舌にも繋がっていて舌の動き言語機能とも深く関わっています。
心の経絡は目にも繋がっていて、人は怒っているとき肝火心火があり、目は真っ赤に燃えて舌の動きも悪くなり呂律が回りにくくなります。

全身を流注する経絡には陽経と陰経に分かれていて陰経は内臓と繋がり、おもに腹側を、陽経は背側を流注しています。

厳密にいうと農作業をする姿勢で太陽に当たるのが陽経、陰になるのが陰経です。

それぞれスタートは違いますが、陰経のゴールは全て喉元になっていて、陽経のゴールは全て頭部になっています。
心経肝経は陰経ですが頭部に繋がっています。

喉元には何があるか、甲状腺があります。
甲状腺は全ての内臓と繋がってホルモンを分泌し代謝を促します。

頭部には脳があり、脳は全身の司令塔です。
脳には視床下部、下垂体があり全身をコントロールするホルモンを分泌しています。

そして神経には脳と脊髄からなる中枢神経と中枢神経から出て、全身に分布する末梢神経があります。
それらの働きや神経分布も経絡と深い関係があり、現代医学と東洋医学は
きちんと繋がっているのです。

 

脳からは多種多様の重要なホルモンが生成分泌されています。
脳にある松果体からは24時間制で身体を調節する慨日ホルモン・メラトニンが作られ、睡眠と大きく関わっています。
不摂生な生活習慣や食事、慢性疲労、強いストレスが長期化すると身体は大きくバランスを崩します。

毎日ダルくて食欲がわかず睡眠がうまくとれなくなります。
それらの症状は身体が発してる危険なサイン、悲鳴なのです。
長期間にわたり薬に頼ってしまうと自分の脳内体内で必要なホルモンを作る能力を失います。

頭鍼療法

頭には沢山のツボがあり、頭部には全身の治療区が投射されています。

頭鍼療法では中国の神経科の医師•焦順発先生や朱明清先生が有名です。
大脳皮質の機能局在が頭皮に反射されているので、頭皮のツボを刺激することはとても有効な方法です。

出典:朱氏頭皮鍼

患者様に脳出血で右半身麻痺の方がみえますが、1年間毎週治療して全身の状態歩く動作などはかなり改善されています。
今のところ再発の心配も全くありません。

しかし右手の細かい作業は脳の神経分布が大きいので回復にかなり時間がかかります。

当院では頭穴に刺鍼をしてパルス・微弱電流を流すことで、さらに脳神経に強い刺激ができるようにしています。

2023年8月 中国天津市へ

毎年行っていた中国研修でしたがコロナ禍で行けず、やっと3年半ぶりに行って来ました。
今回は電気針特別講座を受講しました。